せら夢公園からのお知らせ

モニタリングサイト1000里地調査の活動 2023年1月15日(日)更新

モニタリングサイト1000里地調査とは

里地里山の生態系は、森林や水田、ため池といった多様な環境が入り交じった複雑な環境で、農業・林業など、様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されています。そのため、里地里山はわが国の多様な生物相を支える重要な役割を果たしているとともに、人間の生活・生産活動の場としても重要です。
しかし、昭和30年以降、生活や農林業の近代化に伴い二次林や農地の手入れ・利用がなされなくなり、地域特有の多様な生物の生息・生育環境の質が低下しつつあります。

モニタリングサイト1000では、全国18ヶ所のコアサイトと約170ヶ所の一般サイトで、市民を主体とした調査を行っております。長期間に渡りモニタリングを継続するコアサイトでは、植物相、鳥類、水環境、中・大型ほ乳類、カヤネズミ、カエル類、チョウ類、ホタル類、人為的インパクト(相関植生図)の9つの調査のうちなるべく多くの調査を継続して行うこととしており、5年に1度サイトを更新する一般サイトでは、9つの調査のうち少なくとも1つ以上の調査を行うこととしています。 (環境省の生物多様性センターのサイトより引用

せら夢公園自然観察園は世羅・御調の自然史研究会が行っているモニタリングサイト1000(通称モニ1000)の調査活動に参加しています。

世羅・御調の自然史研究会は尾道市御調町大原(鈴地区)において、植物相、チョウ類、鳥類、中型・大型哺乳類、ホタル類、カエル類、カヤネズミの調査を行っている団体で、調査地は「世羅・御調のさと」として登録されているモニ1000里地調査のコアサイトとなっています。

【最近の話題】

2023年1月15日(日)

里山の生き物たち(その1)

Nov081611:19:39

↑イノシシ

 

Nov081611:19:39

↑キツネ

 

Nov081611:19:39

↑テン

 

Nov081611:19:39

↑タヌキ

 

Nov081611:19:39

↑ノウサギ

 

Nov081611:19:39

↑ニホンジカ

 

Nov081611:19:39

↑アライグマ

 

Nov081611:19:39

↑ノウサギ

 

↑アナグマ

↑アナグマ

 

Nov081611:19:39

↑イノシシ

哺乳類撮影頻度(2022鈴)        ↑中・大型哺乳類の撮影頻度 2023年5月~12月

 

源五郎米の産地ででもある尾道市御調町大原は環境省のモニタリングサイト里地調査の調査地です。
調査する生き物は、植物、チョウ、鳥類、中・大型哺乳類、アカガエル、カヤネズミなどで、全てボランティアによって行われています。
御調町での調査は15年ほど行われていますが、環境省では少なくとも100年継続し、身近な自然に起こっている変化を把握するとともに、希少な生き物を守ることも期待されています。
中・大型哺乳類の調査は、林内の獣道にある立ち木にセンサーカメラを設置し、カメラの前を通過する生き物の写真を撮影して行います。調査期間は毎年5月、7月、9月、11月で、カメラが捉えた生き物の種類と数をカウントしています。

写真に写った動物は一枚一枚種類を判定しますが、テンより小さいイタチやネズミについては写真では区別がつかないため、イタチ類、ネズミ類としています。
この調査では種ごとの生息数や生息密度などはわかりませんが、撮影された種ごとの枚数を全撮影日数で割った撮影頻度を求めることにより、調査地周辺に生息する哺乳類の種類と個体数の増減の傾向を把握することができます。
撮影頻度はイノシシが最も高く、次いでニホンジカ、タヌキの順になっていますが、ここ数年、ニホンジカの撮影頻度が年々高くなっています。シカによる農作物の被害も増えており、シカの生息数が増えていることが推測できます。
また、もともと日本にいなかったアライグマが毎年のように撮影されていることから、この地域に定着していることもわかってきました。

地球規模で減少する昆虫

モニタリングサイト里地調査は全国で行われており、調査したチョウの約4割の種で減少していることがわかっています。
昨年8月に出版された「サイレント・アース」(NHK出版)を読むと、チョウだけでなく昆虫の減少が地球規模で起こっていることがわかります。400ページもある本ですが、一般の読者にも理解できるわかりやすい内容で書かれています。

↑サイレント・アース(NHK出版)

↑サイレント・アース(NHK出版)

昆虫がいなくなれば、世界は動きを止める。危機を食い止める具体的な行動指針を示す、現代人必読の書!

レイチェル・カーソンが、『沈黙の春』で「鳥の鳴き声が聞こえない春が来る」とDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。私たち人間は、さらに地球環境を悪化させてきた。本書はまさしく「昆虫たちの羽音が聞こえない沈黙の春」への警告だ。
カーソンの時代の農薬よりはるかに毒性の強い農薬によって、最初に犠牲となるのは小さな無脊椎動物、昆虫だ。
土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されているばかりか、集約農業や森林伐採によって昆虫のすみかは縮小し、加えて急激な気候変動で虫たちの生態環境は悪化し、減少スピードが加速している。
この現象は、虫好きの人の耐え難い悲しみであるだけでなく、虫嫌いの人を含む全人類の豊かな暮らしをも脅かす。なぜか? それは、作物の授粉、他の生物の栄養源、枯葉や死骸、糞の分解、土壌の維持、害虫防除など、様々な目的で人間は昆虫を必要としているからだ。昆虫をこよなく愛する昆虫学者は訴える。「今、昆虫たちはあなたの助けを必要としている」と。
EU 全域にネオニコチノイド系殺虫剤の使用禁止を決断させた運動の立役者であり、気鋭の生物学者である著者が、多様な昆虫と共存することの重要性を訴える渾身の一冊。

「生態学者と昆虫学者は、昆虫がきわめて重要な存在だということをこれまで一般の人々にきちんと説明してこなかったことを深刻に受け止めるべきだ。昆虫は地球上で知られている種の大部分を占めるから、昆虫の多くを失えば、地球全体の生物多様性は当然ながら大幅に乏しくなる。さらに、その多様性と膨大な個体数を考えると、昆虫が陸上と淡水環境のあらゆる食物連鎖と食物網に密接にかかわっているのは明らかだ。……私は、ほかの人たちが昆虫を好きになって大切にしてくれるように、そこまでいかなくても、昆虫を尊重してほしくてこの本を書いた。私が昆虫を見る目で、あなたにも昆虫を見てもらいたい」(本文より)

 

2023/01/15お知らせ
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